コラーゲン・トリペプチドの特徴/抗糖化作用

血清中AGEsの抑制(ヒト)

CTP含有コラーゲンの動脈硬化指標への影響

細胞内に AGEs が蓄積すると、酸化ストレスや炎症、細胞機能の低下を引き起こし、最終的には細胞死に至ります。細胞が死ぬと、その内部成分が血流へ流出しますが、この際に蓄積していた AGEs も血中へ放出されます。そのため、糖化ストレスが高い方では血液中の AGEs 濃度が上昇します。
しかも血中に流出した AGEs は、その後他の組織に到達し、細胞表面レセプターである RAGE を介して糖化ストレスを惹起することで “二次的なダメージ”を引き起こします。血液中の AGEs 濃度は、生体内の糖化ストレス状態を反映する指標と考えられています。
  本項では、CTP 摂取前後の動脈硬化指標への影響を検証したデータのうち、抗糖化作用に関連する部分に焦点を当てて紹介します。
※『血管』の「動脈硬化指標への影響(ヒト試験)」も併せてごらんください。

■方法

健常人ボランティア30名(男性15名、女性15名)に、CTP含有コラーゲン16 gを、朝夕二回に分けて6ヵ月間摂取して頂きました。CTP含有コラーゲン中のGPHyp含有量は、約3%でした。摂取前後に、血中脂質検査、血清中グリセルアルデヒド由来AGEs濃度、ならびにCAVI検査を実施しました。

■結果

(1)血清中グリセルアルデヒド由来AGEs濃度

図1に結果を示しました。全被験者の解析で、血清中AGEs濃度は介入後に有意に低下しました。特に、血清中AGEs濃度が初期値で高値(10 units/mL以上)であった方で、有意な低下が認められました。

図1.血清中グリセルアルデヒド由来AGEs濃度変化

(2)血管弾力性(CAVI)

CAVI検査は、仰向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈派を測定する検査で、動脈の硬さ(弾力性)を測ることができます。動脈硬化症が進むほどCAVIの値は高くなり、9.0を超えた人の約半数が脳動脈か冠動脈に動脈硬化症を発症しているという報告もあります。また、動脈硬化は年齢と共に自然に進むので、年齢が高いほどCAVIの値が高い傾向にあります。
図2に、全被験者の投与前後のCAVI値の平均値を示しました。CTP含有コラーゲンの投与によって、右半身、左半身ともCAVI値が有意に低下しました。このことから、CTP含有コラーゲンの投与により、血管の弾力性が回復することが示唆されました。

図2.血管弾力性(CAVI)

■考察

CTP含有コラーゲンの摂取による血管弾力性の改善については、LDLコレステロール/HDLコレステロール比の改善や動脈硬化プラークの低減など、複数の作用の関連性が示唆されています。一方で、CTP含有コラーゲンには約3%のGPHypが含まれており、摂取後に血清中のグリセルアルデヒド由来AGEs濃度が低下したことから、GPHypによる抗糖化作用も血管機能改善に寄与する機序の一つと考えられます。

引用:
1)Shoko Yamamoto et al. "The Glycine-Proline-Hydroxyproline tripeptide reduces cell death caused by glycative stress." Protein Pept Lett 33 (2026) :454-464.
2)Naohisa Tomosugi et al. "Effect of collagen tripeptide on atherosclerosis in healthy humans. " Journal of atherosclerosis and thrombosis 24 (2017): 530-538.