消化管からの吸収性(in vivo)
通常、タンパク質は胃や腸で種々の消化酵素により分解され、アミノ酸あるいは、ごく短いペプチドの形で吸収され、その後、主にタンパク質合成の材料として利用されます。このとき、ペプチドの形でとり込まれることで、アミノ酸以上に速やかに吸収され、さらには生理活性を示すものがあることが知られています。
CTP含有コラーゲン中のトリペプチドについても、速やかな「吸収性」と「機能性」が期待されます。消化管からの吸収性について検討しました。
消化管からの吸収性の試験
■方法
- 【被験物質】
- CTP含有コラーゲンの主要成分のひとつである“Gly-Pro-Hyp”をトリチウム(³H)標識したものを被験物質としました。対照はアミノ酸であるプロリン(Pro)を同様にトリチウム標識したものを用いました。
- 【消化管からの吸収性】
- 16時間絶食措置を施した5週齢の雄ラットに、被験物質を0.35 mmol/kg経口投与しました。その後、経時的に採血し、血漿中放射能濃度を測定することにより、被験物質の吸収性を調べました。
■結果
試験結果を図1に示しました。CTPは、投与から5分後に血漿中に検出され、その後、経時的な濃度上昇が観察されました。さらに、対照として用いた、アミノ酸であるプロリン以上に速やかに吸収されることが示されました。
図1.消化管からの吸収性(血漿中放射能濃度の経時変化)
■考察
CTPはアミノ酸分子を上回る早さで効率的に吸収されることが確認されました。よって、速やかなコラーゲン補給効果が期待されます。
引用: | Yamato et al.(2005) Favorable effect of collagen tripeptide (HACP) on healing of bone tissue and achilles tendons , FFI JOURNAL.210,9 |