コラーゲン・トリペプチドの特徴/皮膚

ヒアルロン酸産生促進(in vitro)

ヒアルロン酸は、ムコ多糖類の一種で、身体の結合組織などに多く存在しています。皮膚中ではコラーゲンとともに、健やかなお肌を保つのに重要な働きをしています。そこでヒト正常皮膚線維芽細胞を使用してCTPがヒアルロン酸産生にどのような影響を及ぼすか検討しました。

ヒアルロン酸産生促進作用試験

■試験方法

【試料】
CTPを試料として用いました。陰性対照は精製水、陽性対照は、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を用いました。
【測定方法】
24穴プレートの各ウェルに、ヒト正常皮膚線維芽細胞を5×104(cell/mL)となるように播種しました。5% FCS-MEMを用い、37℃、5% CO2にて3日間培養し、0.5% FCS-MEMに交換し、試料を最終濃度10 μg/mL添加しました。このとき、陽性対照のN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)は、最終濃度0.1 mM添加しました。添加から24時間後の各々の培養上清中のヒアルロン酸量の定量は、ヒアルロン酸結合蛋白質(HABP)及びビオチン標識HABPを用いた結合蛋白サンドイッチ法により行いました。ヒアルロン酸産生促進率は、陰性対照のヒアルロン酸量を100として算出しました。

■結果

ヒアルロン酸産生促進率を下図に示しました。CTPを添加することによりヒアルロン酸量が約1.5倍に増加しました。陽性対照のN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)と比較しても同等以上のヒアルロン酸産生促進効果が確認されました。

ヒアルロン酸産生促進率

■考察

CTPは皮膚線維芽細胞を活性化することで、コラーゲンだけでなくヒアルロン酸産生量も増加させました。よってCTP含有コラーゲンを摂取することにより、皮膚および関節中のヒアルロン酸産生促進効果が期待され、皮膚を健やかに保ち、関節の動きをスムーズにする効果が期待されます。

引用: Okawa et al.(2012) Oral administration of collagen tripeptide improves dryness and pruritus in the acetone-induced dry skin model, J. Dermatol. Sci. 66, 136-143